今回は、産後にイライラしてしまうママに向けてイライラに対する不安との正しい向き合い方を解説していきます。
- 産後からイライラや不安を強く感じる…
- 産後イライラしちゃうのは自分だけ?
出産を終え、かわいい赤ちゃんとの生活が始まったはずなのに、些細なことでイライラしてしまう…
そんな自分に驚いたり、戸惑ったりした経験はありませんか?
産後ママたちの多くが「またイライラして怒っちゃった…」と悩み、ひとりで抱え込んでしまうケースも少なくありません。
ですが、産後にイライラしてしまうのは「ある意味で当たり前のこと」なのです。

あなたは悪くないから安心してね。
この記事では、産後のイライラの正体や原因、頼れる支援先について解説します。
産後のイライラとは?


産後のイライラは、「些細なことで怒る」「理由もなく涙が出る」「相手の言動に過剰に反応する」といった、感情の起伏が激しくなる状態を指します。
今までなら気にしなかったことにも強く反応してしまい、自分でも「どうしたんだろう?」と不安を感じるケースも多いようです。



産後のイライラ、つらいよね。
産後のイライラはどれくらい続く?
産後のイライラは、出産後すぐに感じ始める方もいれば、1~2か月後の育児に慣れてきたころに表れる方もいます。
感じ方や続く期間には個人差がありますが、数週間から数か月にわたって続くことがあるのが特徴です。
「ガルガル期」と呼ばれる状態について
「ガルガル期」って聞いたことあるけど、実際にどんな状態なのか気になるママもいると思います。
出産後の女性が本能的に赤ちゃんを守ろうとするあまり、外部への警戒心が高まって攻撃的になってしまう期間のこと。
特に自分の母親や義理の家族、パートナーに対して過敏に反応し、「近寄らないで」「触らないで」といった強い言葉を発してしまうこともあります。
こうした反応は母性本能に基づいたごく自然なものであり、決して異常なことではありません。



ついイライラしちゃうことあるよね。
なぜ産後はイライラしやすくなるの?


産後のイライラの背景には、身体の変化だけでなく、生活環境や人間関係などさまざまな要素が重なっています。
ひとつひとつを丁寧に見ていくことで、今の自分の状態に納得できることもあるかもしれません。
この章では、産後にイライラしてしまう理由について解説します。
ホルモンバランスの急な変化
妊娠中に増加していた女性ホルモン(エストロゲンやプロゲステロン)は、出産を機に一気に減少します。
さらに、母乳を分泌するホルモン(プロラクチンやオキシトシン)の影響も加わるため、身体の中では大きなホルモンの変化が続いています。
自分ではコントロールしづらいこの変化が、感情面にも影響を与えているのです。
出産後はホルモンの動きが一気に変わるので、感情の波があるのは自然なことです。



イライラはホルモンのせい。自分を責めないでね。
睡眠不足や育児の疲れ
赤ちゃんとの生活が始まると昼夜問わずのお世話が始まり、授乳や夜泣きが続く時期はまとまった睡眠がとれないことが増えてきます。
慢性的な寝不足は、脳のストレス耐性を下げてしまうと言われており、日常の小さなことにも過敏になりやすくなります。
そんな生活が続くうちに心に余裕がなくなり、気づけばイライラしてしまっているという状況が続くことも珍しくありません。



細切れでもいいから赤ちゃんと一緒に寝て、少しでも休息をとってね!
環境や人間関係の変化も影響
出産をきっかけに、これまで築いてきた夫婦関係や親との関係に『すれ違い』が生じることもあります。
赤ちゃん中心の生活になると、ママ自身のことがどうしても後回しになりがちです。
そうした日々の重なりが、いつのまにか心をぎゅっと締めつけるような苦しさにつながることもあります。
産後イライラを感じたときの心の整え方


産後のイライラを感じたときに「どう対処するのか」で、心の安定は大きく変わってきます。
感情を溜め込まず、うまく向き合うための方法を知っておくと、気持ちが少し楽になることもあります。
この章では、産後イライラを感じたときの心の整え方を解説します。
まずは「そんな自分もOK」と受け入れる
「なんでこんなことで怒ってしまうの?」「母親なのに心が狭い」と、自分を責めてしまう方も少なくありません。
しかし、まず大切なのは「今の自分も悪くない」と受け止めてあげることです。
イライラするのは決してダメなことではありません。



感情が動くのは、それだけ頑張っている証だよ!
そんな自分の気持ちを否定せず、「いまはしんどい時期」と優しく認めてあげましょう。
深呼吸やひとりの時間で気持ちを落ち着ける
どうしようもなくイライラが込み上げてきたときは、深く呼吸をするだけでも気持ちが少し落ち着くことがあります。
この繰り返しは、自律神経のバランスを整えると言われています。
少しの間、窓を開けて外の空気を吸うだけでも気分転換になります。



2〜3分だけでもOK!
また、赤ちゃんを誰かに預けてママがひとりの時間を持てるなら、それが一番の大きなリフレッシュになることもあります。
それがなかなか難しい場合でも、赤ちゃんを安全な場所に寝かせている間に少し離れるだけでも効果的です。
心配な時はベビーモニターを設置して離れた場所でも安全確認ができるアイテムもあるので、気になるママはチェックしてみてください。
\ベビーモニターがあれば束の間の休息も安心して過ごせる/


言葉で気持ちを整理する習慣を持つ
- 日記に書き出す
- 音声で録音する
- 誰かに話す
どんな方法でもかまいません。
今感じていることを言葉にすることで、自分の感情を客観的に見つめ直せるので、気持ちが少しずつラクになります。
パートナーとの関係でイライラするとき


出産後、パートナーとの関係に変化を感じたという声もよく耳にします。
ここからは、パートナーとの関係でイライラしてしまう理由と対処法について解説します。
産後にすれ違いやすい理由とは
赤ちゃんが生まれると、生活の中心が育児になります。
特にパートナーが仕事中心の生活を送っている場合、育児の大変さがパートナーへ十分に伝わらないため、ママの不満が蓄積しやすくなります。
気持ちを伝えるコツとタイミング
イライラが募ったまま気持ちをぶつけると、相手も身構えてしまい、思うように伝わらないことがあります。
パートナーに伝えたい内容があるときは、感情的になっている瞬間を避けて少し落ち着いたときに話すのがおすすめです。
相手を責める言い方より、「今すごく疲れてて…」という自分の気持ちを主語にした伝え方を意識すると気持ちが伝わりやすいです。
家事や育児の役割分担を見直してみる
家事や育児の負担が一方に偏っていると、不満が募りやすくなります。
- 家事や育児を書き出して見える化する
- 当番制にする
- 週末は家事をパートナーに任せてみる
上記のように家庭ごとに工夫できることはたくさんあります。
完璧を目指さず、「できることを少しずつ」協力していく意識が大切です。



自分がやった方が早い…なんて思わずに『お願い』してみて!
産後のイライラに悩むあなたへ伝えたいこと


もっと優しくなりたいのに、どうしてもイライラしてしまう…
そんな葛藤を抱えながら毎日頑張っているママへ、伝えたいことがあります。
産後にイライラする自分を責めないで
産後のイライラは心が弱いからではありません。
- 身体の変化
- 環境の変化
- 責任の重さ
たくさんの負荷がかかっている中で、心が悲鳴をあげているだけです。



だからこそ自分を責めないでね。
「今日もよくやってる」「私はがんばっている」と、まずは自分に優しい言葉をかけてあげてください。
産後のイライラをひとりで抱えない工夫を
ひとりで頑張り続けることが美徳のように思えるときもありますが、支えを求めることは決して甘えではありません。
- 身近な人
- 産後ケア
- 地域の支援センター
- オンラインのコミュニティ など
ママがつらいな…と思った時に頼れる”拠り所”を見つけておくことが大切です。
そこに行けば気持ちを理解してくれる人がいる…それだけで心がふわっと軽くなります。



一人で悩まず、どんどん頼っちゃおう!
産後の不安や疲れを抱えたママの心と体を支えてくれる「産後ケア」という制度があります。
産後ケアでは、授乳の悩みや育児の不安、そして何よりも大切な「休む時間」をサポートしてくれます。
「どんなケアを受けられるの?」「どれを選べばいいの?」と気になる方は、以下の記事で詳しくご紹介しています。





自治体によって補助がおりる制度もあるから、チェックしてみてね!
【まとめ】産後のイライラ、ひとりで悩まないで


この記事では、産後のイライラの正体や原因、頼れる支援先について解説しました。
産後のイライラは、誰にでも起こる自然な心の揺れです。
出産を経て大きく変化した心と身体…慣れない育児や夜間の授乳、パートナーとの関係性の変化など、多くの負荷が一度にのしかかる中で、自分でも驚くほど感情が不安定になります。
でもそれは、あなたが「弱いから」でも「母親として未熟だから」でもありません。
もし今、孤独や不安で押しつぶされそうになっているのなら、無理にひとりで乗り越えようとしなくても大丈夫。



どんどん頼って、みんなで乗り越えていこうね!
助産師サキココが代表を務める ママのためのオンラインコミュニティ『ママミー』を紹介します。
「ママミー」では、同じように悩んだりつまずいたりしながら子育てをしているママたちとつながれる場を提供しています。
困った時に専門家へ直接相談できる場もあるので、育児がちょっと楽に…そしてもっと幸せな時間になるはずです。
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