母乳が出ないときの原因と対処法を助産師が解説!

母乳 出ない

出産後、母乳が思うように出ないと不安になりますよね。

でも、これは多くのママが一度は感じる悩みです。

「私だけ?」「何か間違ってる?」と自信をなくすママも少なくありません。

この記事では、母乳が出ないと感じる原因と対処法について解説します。

助産師サキココからこんな悩みを持つママへ伝えたい
  • 母乳が思うように出なくて不安…
  • 赤ちゃんが満足しているか心配…
  • ミルクとの併用に迷っている…

「母乳っていつから出るの?」という、ママたちが最初に感じやすい疑問から一緒に見ていきましょう。

目次

母乳が出るのはいつから?出産後の変化を知ろう

「産んだらすぐに母乳がたっぷり出る」と思っていたのに…と戸惑いを感じるママも多いのではないでしょうか。

まずは、母乳の分泌が始まるタイミングや安定までの流れを見てみましょう。

母乳が出始めるタイミング

母乳は出産直後からすぐに大量に出るものではなく、実際は赤ちゃんを産んだあとの2〜3日目頃から「初乳」が出始めます。

この初乳は、濃い黄色で粘り気があり、免疫成分が豊富に含まれているのが特徴です。

初乳の量はごくわずかですが、赤ちゃんにとってはとても大切な栄養源となります。

  • 胃の容量はたったの5〜7ml程度
  • 初乳は高栄養・高免疫成分
  • 数mlでも必要十分な量

だから「出ている量が少ない=足りていない」と心配する必要はありません。

授乳を重ねていくことで母乳の分泌は自然に増えていきますので、焦らず見守ることが大切です。

助産師サキココ

焦らなくても大丈夫だよ

▼出産直後の母乳分泌について、さらに詳しく知りたい方はこちらの記事もおすすめです。

母乳量が安定するまでの期間

母乳の分泌が安定してくるのは、一般的に産後1〜2週間頃からといわれています。

最初の数日は、赤ちゃんも飲み方が上手ではなく、またママの体もまだ本格的に母乳モードになっていないため、量が少なくて当然なのです。

ただ、授乳を続けることによって、ママの体が赤ちゃんのペースを学び、必要な量の母乳を作れるようになります。

授乳のたびに分泌ホルモンが活性化し、「もっと出そう」と体が反応してくれるのです。

助産師サキココ

母乳分泌には個人差があるよ

大切なのは、量の増減に一喜一憂せず、赤ちゃんの満足そうな様子や体重の推移を見守ること。

目安として、生後2週間から1ヶ月で母乳のリズムが整ってくるケースが多いです。

▼「母乳が足りているか心配…」という方は、飲み具合や体重増加で見極める方法もぜひ参考にしてください。

母乳が出ないと感じるのはなぜ?主な原因とその背景

「授乳しているのに、母乳が出ている感じがしない…」

そんな不安を抱えるママに知ってほしいのが、母乳が出ないと感じる背景です。

原因を知ることで、適切な対処につなげることができます。

授乳の回数が足りない

母乳は、吸われる刺激によってホルモンが分泌され、それによって作られる仕組みになっています。

つまり、授乳の回数が少ないと、母乳を作る信号が脳に届きにくくなり、結果として分泌が減ってしまうのです。

理想的な授乳の目安は以下のとおりです。

  • 1日8回〜12回が目安
  • 夜間の授乳も1〜2回は必要
  • 泣いたらすぐ授乳する「頻回授乳」がカギ

最初のうちは「こんなに頻繁でいいの?」と思うかもしれませんが、それが母乳を安定させる第一歩です。

助産師サキココ

吸ってもらうほど母乳が作られるよ

赤ちゃんがうまく吸えていない

赤ちゃんがしっかりと乳首をくわえて吸えていない場合、授乳の刺激が弱くなり、母乳の分泌が進まなくなってしまいます。

浅くくわえてしまっていると、赤ちゃん自身も十分な量を飲めないうえ、ママは乳首が痛くなるなどのトラブルにもつながります。

正しい吸着は乳首だけでなく、乳輪の大部分を赤ちゃんの口に含ませる「深くくわえる」ことがポイントです。

くわえ方や授乳姿勢が不安な場合は、助産師や母乳外来でアドバイスを受けると安心。

また、授乳のたびにポジションを変えることで、乳房全体をまんべんなく刺激でき、分泌のバランスも整いやすくなります。

ママの体調やストレスの影響

ママの心身の状態も母乳分泌に大きく影響します。

産後はホルモンバランスが大きく変化するだけでなく、慣れない育児や睡眠不足、食欲の低下などが重なるため、ストレスが溜まりやすくなります。

ストレスが強くなると、母乳分泌に関与するホルモンであるオキシトシンの分泌が抑制され、結果として「母乳が出にくい」という状況に陥るのです。

疲労がたまっていると、体は「赤ちゃんを育てる」よりも「自分を回復させる」ことを優先します。

完璧を目指さず、こまめに休憩をとったり、周囲のサポートを受けながらリラックスする時間を意識的に作ることが大切です。

助産師サキココ

頑張りすぎないでね

食事や生活習慣が関係していることも

授乳中のママの食生活や生活習慣も、母乳の出に密接に関わっています。

特に水分不足は、母乳の材料となる血液量の低下を招き、分泌量が減少する一因になります。

授乳のたびにコップ一杯の水を飲むなど、こまめな水分補給を意識しましょう。

また、栄養バランスも重要で、特に鉄分・たんぱく質・ビタミン類は母乳の質と量を左右します。

無理なダイエットや偏った食事は避け、規則正しい生活リズムを心がけることが母乳育児には大切です。

母乳の分泌に個人差があることを理解しよう

「友だちはたくさん出ているのに、私は全然…」

そんなふうに比べてしまうこともありますよね。

でも、母乳の分泌量には大きな個人差があります

これは体質やホルモンのバランス、出産時の状態、赤ちゃんの吸い方や飲む量など、さまざまな要因が関係しているためです。

例えば、初産の方や帝王切開で出産した場合は、母乳の立ち上がりがゆっくりなことも珍しくありません。

だからこそ、「私は母乳が出にくい体なんだ」と落ち込まずに、自分のペースで進めることが大切です。

また、母乳の量だけで育児の良し悪しが決まるわけではありません。

赤ちゃんとママが心地よく過ごせることこそが一番大切です。

助産師サキココ

自分のペースで大丈夫だよ

母乳を増やすには?実践しやすい対処法

母乳が思うように出ないとき、「どうすればもっと出るようになるの?」と悩むママも多いと思います。

無理なく、そして日常生活の中でできる工夫を取り入れることで、母乳の分泌を自然と促すことができますよ。

助産師サキココ

ここからは今日から試せる方法いくつか紹介するね

授乳姿勢を見直して深くくわえさせよう

赤ちゃんがしっかりと乳首をくわえて吸えているかどうかは、母乳の出に直結します。

特に、浅くくわえていると乳頭の刺激が弱くなり、ホルモンの分泌が促されにくくなるため、思うように母乳が増えないこともあります。

授乳姿勢が不安定だったり、赤ちゃんの頭と体のラインがずれていると、くわえ方が浅くなりやすい。

まずは「授乳中の抱き方」を見直してみましょう。

赤ちゃんの鼻と乳首が向かい合うようにし、頭と体がまっすぐになるようにサポートするのがポイントです。

授乳がうまくいかないと感じたら、遠慮せず母乳外来などで相談してみましょう。

助産師サキココ

一人で悩まず相談してね

循環を良くするためのケア

母乳の分泌をスムーズにするには、乳房周りの血流を良くすることがとても大切です。

以下のような簡単なケアを日常に取り入れて、体をやさしく整えていきましょう。

乳房を温める

入浴や温かいタオルで乳房を包むようにして温めると、血行が促進され、母乳の流れがよくなります。

助産師サキココ

授乳前に行うのもおすすめだよ!

肩回しをする

肩や首の筋肉が緊張していると、血流が滞りがちに…。

肩をぐるぐる回したり、肩甲骨を動かすようなストレッチで、全身の循環をサポートしましょう。

冷やさない

冷えは血行不良を招き、母乳の出に影響を与えることがあります。

助産師サキココ

授乳中は体を冷やさないことも大切!

寒い季節は特に、首・足首・お腹など冷えやすい部位を意識して温めましょう。

特におすすめなのが、「三陰交(さんいんこう)」というツボのケアです。

三陰交は足の内くるぶしの上端から指4本分上の位置にあるツボで、母乳の分泌にも関係しているといわれています。

このツボをやさしくマッサージしたり、くるぶしが隠れるくらいの靴下を履いて冷やさないようにするのがおすすめです。

体は温まっていても手足が冷えている…という方は、ぜひ意識してみてくださいね。

栄養バランスを意識した食事をとる

母乳の材料は、ママの血液です。

栄養が偏っていたり、水分が不足していると、十分な母乳をつくることが難しくなります。

鉄分・たんぱく質・カルシウム・ビタミンなど、母乳づくりに欠かせない栄養素をバランスよく取り入れることが大切です。

母乳を支える栄養素には、次のようなものがあります。

  • 鉄分:レバー、小松菜、ひじき
  • タンパク質:肉、魚、大豆製品
  • カルシウム:牛乳、小魚
  • ビタミン類:野菜、果物、海藻

食欲が落ちがちな時期でも、少量でも栄養のあるものをこまめに摂るように心がけてみてくださいね。

▼母乳の質を高めたい方におすすめの栄養・食事法はこちらで紹介しています。

ストレスケアと睡眠の確保が大切

心と体がリラックスしている状態は、母乳分泌に欠かせません。

ストレスがたまると、母乳を出すホルモン「オキシトシン」の分泌が抑制されてしまうからです。

赤ちゃんが寝ているときは一緒に仮眠をとる、家事の手を抜いて周囲に頼るなど、自分をいたわる時間を確保しましょう。

香りのよいハーブティーを飲んだり、やさしい音楽を聴くのもおすすめです。

助産師サキココ

ママ自身の時間も大切にしていこう♪

搾乳はあくまで最終手段!基本は頻回授乳

搾乳はあくまでもサポートの手段であり、赤ちゃんにたくさん吸ってもらう「頻回授乳」が基本となります。

何らかの理由で直接授乳ができないときは、乳頭マッサージなどでやさしく刺激を与える方法がおすすめです。

乳頭への刺激は母乳分泌につながりますが、過度に搾乳機に頼るのは乳房トラブルを招くこともあるため、おすすめできません。

以下の状況によっても対応が異なるため、不安があるときは助産師や母乳外来に相談してみてくださいね。

  • 一日何回授乳しているのか
  • ミルクをどれくらい足しているのか
  • 混合栄養の場合はその割合
助産師サキココ

困ったらいつでも相談してね

【まとめ】母乳が出ないときも焦らなくてOK

この記事では、母乳が出ないときの原因や背景、母乳を増やすための具体的な対処法、そしてミルクとの上手な付き合い方までを解説しました。


母乳が出ないことで、自分を責めてしまうママは少なくありません。

でも、「出ない=ダメなママ」では決してありません。

体の準備には個人差があり、どんなママにも赤ちゃんを思う気持ちはちゃんと届いています。

授乳がうまくいかないときは、無理をせず、できることをひとつずつ取り入れていくことが大切です。

そして何より、自分の心と体を大切にしてくださいね。

助産師サキココ

どんな選択もママの愛情のかたち♪

育児に不安や悩みを感じたとき、頼れる場所があると心強いですよね。

最後に…そんなママたちを支えるサービス「ママミー」をご紹介します。

ママミーは、助産師サキココが代表を務める、ママと赤ちゃんのための育児サポートサービスです。

専門家によるオンライン相談や、育児に役立つ情報の提供など、さまざまなサポートを行っています。

困った時に専門家へ直接相談できる場もあるので、育児がちょっと楽に…そしてもっと幸せな時間になるはずです。

\ママのための新たな居場所/

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