この記事では、産後のよくあるおっぱいトラブルについて、まとめて紹介しています。
- おっぱいトラブルって何がある?
- 今おっぱいトラブルに悩んでいる
- おっぱいトラブルのケアの方法や病院に行く目安が知りたい
産後、母乳が出るようになってから起きるおっぱいトラブル。経験のあるママは本当にたくさんいると思います。
助産師という立場もあって、おっぱいトラブルに悩むママにたくさん出会ってきました
「おっぱいが詰まった」「おっぱいが痛い」「乳首が痛い」など
こうした症状に気づいたとき、どうすればいいのかわからないことが多いのではないでしょうか。
この記事では、産後のよくあるおっぱいトラブルを対処法と一緒に紹介します。
病院で早く診てもらうのが一番いいのですが、すぐに行けないときのためにも、この記事でケアの方法についても紹介しますね。
おっぱいトラブル①乳腺炎
おっぱいトラブルの中でも特に多いのが乳腺炎です。
特に気をつけてほしいおっぱいトラブルなので、詳しく紹介します。
乳腺炎の原因
乳腺炎は、母乳が溜まって起こるものですが、ストレスや疲労が原因になることもあると言われています。
乳腺炎の症状は次のとおりです。
- おっぱいが張っていて全体的に痛みがある
- 熱を持っている
- 腫れている
- 自分自身も熱が出ている
- おっぱいに膿が溜まっている感じがする
こうした症状が12時間以上続くときは、乳腺炎を疑ってください。
乳腺炎の原因は母乳が溜まってしまうからです。
母乳は血液で作られているため、血行が悪いと乳腺炎になりやすい状況に。
対処法はあとでしっかり解説しますね!
乳腺炎の前兆3つ
症状や原因はわかっても、詳しい前兆がわからないと対処が難しいと思いますので、乳腺炎の前兆を紹介します。
乳腺炎の前兆①おっぱいの張りがとれない
乳腺炎の原因は、先ほど紹介したように母乳が溜まるから。
なかなか取れないしこりにも注意してください。
乳腺炎の前兆②白斑ができている
母乳が詰まることで、母乳がうまく排出されず、乳首の表面に白い斑点が出る状態をいいます。
ポツッと白くなっているように見えて、中には痛みがある人も
白斑について、詳しい対処法はこちらで解説しています。
乳腺炎の前兆③おっぱいが熱い
炎症が起きて熱を帯びることがあるので、おっぱいが熱く感じるように。
一時的に冷やすと楽になるかもしれませんが、授乳直前は母乳が出にくくなる可能性があります。
タイミングによっては冷やさない方がいいので注意!
乳腺炎の前兆を感じたときのセルフケア
乳腺炎の前兆を感じたら、セルフケアをするのが大切です。
- たくさん吸ってもらう
- いろんな抱き方で授乳する
- 水分を摂る(目安は2L)
- 肩回りのストレッチをする
- 身体は冷やさないようにする
- 授乳以外はできるだけ休む
1番の対処は、とにかく母乳を出すことです。
母乳を出すためには次の2つが効果的。
①赤ちゃんに飲んでもらう
②あんまり飲んでくれないときは搾乳
飲んでもらったあとも痛いときは、おっぱいを冷やしましょう。
保冷剤をタオルで巻いて当てるのがいいですが、ブラジャーに挟むと楽ですよ。
搾乳については、こちらで詳しく解説しています。
乳腺炎の前兆を感じたら助産師へ!
乳腺炎の前兆を感じたときは助産師にすぐ相談した方がいいです。
大事なのは、悪化の傾向があると思った時点で、病院や助産院に行くこと。
①助産師のマッサージを受けられる
赤ちゃんが吸いきれない母乳を出してもらえます
②必要なら薬を出してもらえる
病院だったら葛根湯や痛み止め、抗生剤が出ることも
③悪化したとき早めに診てもらいやすい
これに加えて、次の受診の目安とかも聞けるから安心です
母乳外来がある施設であれば、悪化しないように授乳方針を一緒に考えてくれます。
また、乳腺炎の中には、感染した状態になっているものもあります。
ジュクジュクしていたり、膿のようなものが透けて見える場合、すぐ病院を受診してください!
こうした症状の場合は、『すぐみてもらえる』を優先して病院を選んでくださいね。
- 産院の助産師外来
- 母乳外来をしている助産院
- 個人の助産師
おっぱいトラブル②母乳過多
「母乳が出すぎて困っています……」
こんなお悩みを持つママもたくさんいます。
「母乳が出ていいね」って周りにいわれて相談できないのではないでしょうか
母乳過多について対処法と一緒に紹介します。
母乳過多とは
母乳過多とは、赤ちゃんが必要な量よりも多く母乳が作られてしまっている状態のことです。
多く母乳が作られているので、おっぱいが張って痛みを感じます。
先ほど紹介した乳腺炎になりやすくなるリスクもあるので、母乳は多く出ればいいというものではありません。
授乳中だと、赤ちゃんがよく吐き戻したり、授乳中にむせるのを見るのは辛いですよね
母乳過多の原因
母乳過多の原因は3つあります。
①作られ過ぎ
赤ちゃんが飲む量より、作られる量の方が多くなっているからです。
②搾乳しすぎ
張りが辛くて、授乳後に搾乳しているとさらに母乳が増えます。
③ママの体質
個人差があるので、こればっかりは正直仕方ないです……。
母乳過多の対処法
母乳過多の対処法について紹介します。
①片方ずつの授乳
毎回左右のおっぱいから授乳しているのを、片側だけの授乳にしてください。
今回は右、次回は左という感じです。
授乳をしないママは、不快な感じがなくなる程度に搾乳してもOKです◎
こうして少しずつ分泌量を抑えていきます。
②軽く搾乳
おっぱいが張って辛いときは、不快感がなくなる程度に搾乳してください。
すっきりするまで搾乳はやりすぎな上に、母乳の分泌をさらに増やすので注意!
搾乳については、手でできる方法をこちらの投稿で紹介していますので、ぜひチェックしてくださいね。
③冷やす
保冷剤などで冷やすのもおすすめです。
タオルなどを巻いた保冷剤でおっぱいを冷やすといいですが、タイミングはこちらでチェックしてくださいね。
④むせ込み防止
赤ちゃんが授乳中にむせ込むときは、勢いよく母乳が出ているからかもしれません。
そのため、次の2つがむせ込み防止にいいので、ぜひやってみてください。
- 授乳前に圧抜き
- 授乳前に圧抜き程度に軽く搾乳すると母乳の勢いが落ち着きます
- 体を起こした姿勢で授乳
- 縦抱きなどがむせ込みにくいです
ここまで自分でできる対策を紹介しましたが、母乳過多に困ったら、母乳外来などで相談できますので、検討してみてくださいね。
おっぱいトラブル③白斑
白斑とは、こちらでも紹介したように、母乳が詰まったりして乳頭にポツっと白く見えるもののことです。
母乳の出口に白い蓋があるように見えて、赤ちゃんに吸われるたびに痛いことも
「乳口炎」とも呼ばれる、白斑について紹介します。
白斑の原因
主な原因としては、母乳がきちんと排出されないことです。
授乳の体勢によっては赤ちゃんが浅く乳首を咥えてしまうと、母乳をしっかり飲めなくなってしまいます。
浅く咥えられると、乳首に負担がかかって傷がついてしまうことも
また、きついブラジャーなどによる締め付けも影響するため、母乳が出にくくなると白斑になる恐れがあります。
授乳方法を見直したり、母乳の流れがよくなるようにするのがいいでしょう。
対処法については次で紹介します。
白斑の対処法
白斑ができた場合は、次の対処法を行ってください。
- 温タオルなどで白斑がある部分を少し温めてから授乳してみる
- 血流が悪くなると母乳の流れが悪くなるので、きつい下着を控える
- 痛みが強いときは授乳をお休みし、手で搾乳する
授乳の体勢を見直したり、無理をせず搾乳のみにしたり、負担のない方法で徐々に対処しましょう。
もし赤ちゃんに吸ってもらっても改善しない場合は、助産師のケアを受けるのがおすすめです。
おっぱいトラブル④乳頭亀裂
乳頭亀裂は、乳首の先や根元の部分が裂けたような傷ができることです。
乳頭亀裂について紹介します。
乳頭亀裂の原因
乳首の先や乳輪の皮膚はデリケート、しかも産後はホルモンバランスで肌が敏感になりやすい時期。
赤ちゃんがおっぱいを強く吸うことで乳首が切れて赤くなったり、かゆみで掻いてしまい傷ができてしまったりするのが原因です。
乳頭亀裂の対処法
乳頭亀裂の対処法は、キズを予防し、悪化させないようにすることが重要です。
- キズを赤ちゃんの口角にくるように授乳する
- 乳輪が見えないくらい深く加えさせる
- 口を離すときに乳首を引っ張らないよう、ママの指を口に入れてから離す
- 授乳後に乳頭保護クリームで保湿する
傷にならない授乳法をこちらの投稿で紹介していますので、ぜひ見ながら実践してみてください。
産後のよくあるおっぱいトラブル|まとめ
産後のよくあるおっぱいトラブルとして、次の4つを紹介しました。
自分でできる対処法も一緒に紹介していますが、悩んだときは助産師を頼ってください。
たくさんのママを診てきたからこそ、お手伝いや今後のアドバイスができるよ!
おっぱいトラブルは毎日母乳をあげているからこそ起きやすいもの。
少しでもおっぱいのことで気になったら、この記事を読んで対処してくださいね。
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