この記事では、赤ちゃんが生まれた新米パパへ、助産師の私から伝えたいママのことを紹介します。
- ママのパパへ感謝の気持ちとママ自身の状態
- 泣いたときやオムツの替え方など赤ちゃんへの対応方法
- 産後のママへの接し方
新米パパへ、産後のママのことを紹介する前に、私からどうしてもママの代わりに伝えたいことがあります。
ママの状態を知った上でこの記事を読んでほしいので、長くなりますがよろしくお願いします。
新米パパへ
うまく伝えることが難しいママに変わって、パパになったばかりの新米パパへ、助産師の私が伝えたいことがあります。
10ヶ月間ありがとう
約10ヶ月間、赤ちゃんを守ってきたお腹はママの身体だけど、それもパパのサポートがあったから。
これは間違いなく言えることです。
辛いとき、弱音を吐くママの話を聞いてくれたり、家事をサポートしてくれたり。
何より一緒に妊娠を喜び、赤ちゃんを待ち遠しく思っていたパパの姿は、2人で赤ちゃんを一緒に育ててきたと言える証拠です。
ママは事故に遭いました
出産は、全治2ヶ月の事故にあったようなものです。
これは、経膣分娩でも帝王切開でも。
痛みを乗り越え、ペットボトル1本がいっぱいになるくらいの出血をし傷もでき、それを縫い、そんなことがあった直後なんです。
出産前と同じようにサクッと起きてスタスタ歩き育児をするなんて普通じゃないんです。
どうか労ってあげてくださいね。
寝不足の限界です
赤ちゃんが昼夜問わず泣き、その度に授乳や抱っこ、夜もまとまって寝れても2時間です。
さらにそれが数日ではなく、出産の疲れも取れる暇もないまま毎日続いています。
パパのちょっとした気遣いや家事のサポートが、ママにとっては大きな違いです。
メンタルが落ちやすいです
これはママの性格の話ではなく、出産後はホルモンの急激な変化により、メンタルが不安定になります。
さらに慣れない育児と睡眠不足でどうしようもありません。
ちょっとしたことで泣いてしまったりイライラしてしまったり、コントロールできなくなります。
パパが話を聞いてくれることはママにとって唯一の救いです。
パパのことが大好きです
産後、イライラをぶつけてしまったり、そっけない態度をとってしまうかもしれません。
そんな自分の変化に、ママも戸惑い、後悔することが多いです。
パパのことが大好きなのに。
そうなってしまうのはみんなそうなんです。
どうか、勘違いしないでください。
ママの話を聞いてほしいです
意思の疎通ができない赤ちゃんとの生活は、とても大変でストレスフルな環境です。
大人と話したい、それがママの切実な気持ちなんです。
外に出ることもほとんどできず、友達と遊ぶ余裕もないこの時期。
パパに話を聞いてもらうことが、産後うつを防ぐ1番大切なことです。
「今日は日中どうだった?」とママの声に耳を傾けてほしいです
助産師サキココより
産後の時期は、パパにとっても大変な時期でしょう。
お仕事など、ママには見えない辛さもたくさんあるかと思います。
でも、ママにとっては容易にうつになってしまうほど大変な時期なんです。
どうか少しでもママのことをわかってあげられるお手伝いができたら嬉しいです。
パパに知ってほしい赤ちゃんとママの一日
ママは赤ちゃんとどう過ごしているか知っていますか?
おっぱいをあげて、おむつを替えて、泣いたらあやして、お風呂に入れて……はもうわかっていると思います。
しかしそれがどれだけ大変かは、想像がつくでしょうか?
特に生まれたての赤ちゃんは、目が離せません!
例えば授乳ですが、1日8回以上は行っています。
その間、泣けばあやしますし、おむつ交換や片付けなど、休む時間を作るのが本当に難しいです。
新生児新生児の特徴についてまとめた記事で、新生児とママの過ごし方について紹介していますので、ぜひ読んで欲しいです。
赤ちゃんが泣いたら
赤ちゃんが泣く理由はさまざまですが、「パパ見知り」が原因の時もあります。
「パパが抱っこするとギャン泣きします」なんてことも
パパ見知りの理由と対策について説明し、泣いたときに効果的な方法も紹介しますね。
赤ちゃんの『人見知り』
赤ちゃんの人見知りには段階があります
- 3ヶ月頃
- ママとそれ以外の人を区別し始める
- 6ヶ月頃
- 人見知りの傾向が強くなる
- 8ヶ月頃
- 人見知りが始まる
パパ見知りも早い子だと3ヶ月頃から始まると言われています
フォロワーさんに聞いてみましたが、パパ見知りがあったと答えてくれたのがなんと51%!
約半分の方が「あり」との回答だったので、どの家庭でも起こりやすいのがわかりますね。
赤ちゃんのパパ見知りの原因
赤ちゃんは、自分を守ってくれる1番の存在を「ママ」として認識しています。
パパに抱っこされると、「いつもお世話してくれるママとは違う!」という違和感から泣いてしまうことに。
あくまで1番がママであって、パパが嫌いというわけでは全くありません。
これも成長の証だよ◎
赤ちゃんのパパ見知りの対策
ずっと赤ちゃんに泣かれるのも、パパとしてはすごく辛いですよね。
そこでパパ見知りの対策を紹介します。
パパと赤ちゃんが接する機会を積極的にとる
赤ちゃんにとって「安心できる」という認識を持ってもらいましょう。
3人で一緒にいる
赤ちゃんは、ママが遠くにいることへの不安を感じることもあります。
近くにいれば落ち着くこともあるよ!
パパと赤ちゃんの2人の時間も作る
パパとだけでも安心してもらえるように、できるだけ一緒にいるようにしましょう。
ママと一緒に、楽しく育児ができるように頑張りましょう♪
赤ちゃんが泣き止む歌や音
実は赤ちゃんが泣き止む歌があるって知っていましたか?
歌だけでなく効果的な音もあります。
なかなか泣き止まないときに、試してみてくださいね。
- POISON
- とんとんトマトちゃん
- アンパンマンのマーチ
- シナぷしゅ
- ふかふかかふかのうた
- 出前館のCM
- タケモトピアノのCM
- 胎内音
- ホワイトノイズ
- 子守唄
また、歌以外にも赤ちゃんが泣いたときの対処法がありますので、こちらの投稿もぜひチェックしてくださいね。
おむつ替えのポイント
おむつを替えるときに押さえてほしいポイントを紹介します。
おむつ替えのポイント①足は優しく持ち上げる
赤ちゃんの骨はまだ柔らかいです。
足を強く引っ張ると、股関節脱臼のおそれがあります!
お尻全体を持ち上げるように、優しく持ち上げてください。
早く済まそうとして、無意識に強く引っ張らないように注意!
片足だけ引っ張らず、両足を優しく持ち上げてくださいね。
おむつ替えのポイント②テープを締めすぎない
テープタイプの紙おむつを使う場合のポイントになりますが、ずれないようにと思ってしっかり締めすぎてしまうことが。
あまり締めつけが強いと、赤ちゃんが呼吸をするのが苦しくなってしまいます。
締めすぎず緩すぎずつけるポイントは、指1〜2本入るぐらいの余裕を持たせること。
ゴムの部分に指1本入るぐらいがちょうどいいです。
指1〜2本入れてみて、少し抵抗を感じるぐらいでテープを締めましょう。
おむつ替えのポイント③優しく軽く抑えるように拭く
赤ちゃんの肌はとてもデリケートです。
赤ちゃんの皮膚の厚さは、大人の約半分の薄さしかありません。
きれいに拭き取ろうとして強くこすってしまうと、赤ちゃんの肌を傷つけてしまう恐れが。
なかなか落ちない汚れはどうすれば?
ぬるま湯を張った洗面器やボトルシャワーで洗い流してあげてから、優しく拭き取ってあげましょう。
拭きとりのポイントは、ポンポン、と軽く抑えるようにすることです◎
汚れの少ないところから拭いていけば、汚れが広がるのを防げますよ。
女の子の場合、尿道や膣にばい菌が入らないよう、前から後ろに向かって拭いてください。
ママのメンタルについて
産後のママに対して、すぐイライラしやすくなったと感じているパパは多いのではないでしょうか。
原因はホルモンバランスの乱れ、産後はよくあることです。
ガルガル期っていうよ!
ママのガルガル期について解説しますね。
ガルガル期の原因
ガルガル期になる原因は3つあります。
①ホルモンバランスの変化
イライラするのは生理的に仕方がないこと。
ホルモンバランスが乱れると、精神状態が不安定になりやすいからです。
②産後の疲労
産後、寝不足の日々で体力は常に限界に。
疲れが溜まると心の余裕もなくなります。
③パパとの意識の差
母親とサポート役の父親、になってしまいがちになるのは、仕方がないところもあるでしょう。
例えば母乳はママじゃないとあげられませんよね。
パパと行動の差が大きくなり、ママはイライラしやすくなってしまいます。
どんな気持ちになるの?
ガルガル期のママは、次のような感情を持ちやすくなります
- 自分以外に赤ちゃんを触られたくない
- 言わなくても察して欲しい
- 否定に感じる言葉は聞きたくない
- リズムを崩されたくない
このように攻撃的になるのは、赤ちゃんを守るために本能的にイライラしてしまうからです。
初めての育児で小さな命を守ることって、そんな簡単なことじゃないですからね。
ママは常に気を張っている状態。
だからパパには、ママにできるだけ声をかけてあげてほしいです。
産後の夫婦生活
人には聞けない産後の夫婦生活、特に産後レスにママもパパも悩む人が多いです。
Instagramのフォロワーさんに質問しましたが、悩んでいるママはたくさんいました
産後の夫婦生活について紹介します。
再開はいつから?
基本的に産後1ヶ月健診で問題なければ再開して大丈夫です。
でもお互いの気持ちも大切ですし、ママの体の戻りもさまざまなので、焦らないでくださいね。
ママのお悩み
Instagramのフォロワーさんに、産後の夫婦生活のお悩みについてアンケートを取りました。
7割以上のママたちが悩みあり!
どんな悩みがあるのか、具体的に聞いてみると次のような結果になりました。
ママがその気になれないパターンが多いですが、原因はあります。
- 会陰の痛みがまだある
- そんな気分になれない
- 赤ちゃんのことが気になって集中できない
気になることが多いからこそなので、パパのことが嫌になったわけじゃないことをわかってもらえると嬉しいです。
産後クライシス
産後クライシスも産後レスの原因の1つ。
産後クライシスとは、産後、夫婦仲が急激に悪くなってしまう状態のこと
Instagramのフォロワーさんも、4割近くの方が直面したと答えてくれました。
- 産後の疲労
- ホルモンバランスの変化
- パパとの意識の差
- さまざまなストレス
最後のストレスについて、産後は初めてのことばかりで不安になったり、大人と話したいと思ったり、理由は本当にさまざまです。
ママとしっかり話し合って、それでも難しいようならカウンセリングを夫婦で受診するという選択肢もあります。
産後クライシスで、カウンセリングを受けているパパママは多いよ!
無理に頑張ろうとせず、人に頼ることも選択肢に入れてくださいね。
パパにしてもらえたらママが喜ぶこと
パパが育児に積極的に参加することはとても大切なことです。
ただ、育児の中でも何をすればママが喜ぶか気になりませんか?
パパがするとママが喜ぶ育児について紹介します。
①おむつ替え
1番多い育児は、やはりおむつ替えです。
おむつ替え1つでも、漏れたり途中でおしっこがかかったりなど、思い通りに行かない育児を実感するきっかけにもなりますよね。
おむつ替えのポイントはこちらで紹介していますので、もう1度チェックしましょう。
②沐浴
赤ちゃんの沐浴、実はかなりの力仕事です。
腰も痛くなりやすいし、けっこう大変!
パパもできるようになると2人で協力してできるから、沐浴がスムーズに♪
③抱っこ
赤ちゃんを抱っこすると、自然とパパの親心が湧いてきます。
抱っこは泣き止ませるだけじゃない素敵な育児なので、ぜひ積極的に赤ちゃんを抱っこしてほしいです。
④泣いたとき
泣いたときこそ、育児の大変さがわかる場面ではないでしょうか。
ママは一日中、ほかの育児もこなしながら頑張ってくれています。
その理解はとても大切なこと、泣いている赤ちゃんを落ち着かせるお手伝いをしましょう。
赤ちゃんが泣いたときの対応は、こちらで紹介したようにやってみてくださいね。
⑤赤ちゃんの環境づくり
「見えない育児」はたくさんあります。
清潔で安全な環境づくりは、実はすごく大変なこと!
パパも教わらないと、気づかないことがたくさんありますよ。
見えない育児は、ママと共有して一緒にできるようになりましょう◎
赤ちゃんが生まれた新米パパへ|まとめ
新米パパへ伝えたいママのことについて紹介しました。
助産師という立場からお伝えしたのは、ママの心と体のことがわかるからです。
たくさんのママと接して見てきたからこそ伝えたいと思いました
ママ自身も、出産前の自分と違うことばかりで戸惑っています。
パパの立場から見ても驚くことが多いかもしれません。ママとよく話して、寄り添ってくれると嬉しいです。
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